角質増殖型水虫について

水虫に関する知識には多くの人が誤解を抱いています。
水虫イコールかゆいと思っている人が多いのですが、実は水虫のある人の半数以上の人はかゆみがありません。
また、水虫イコール皮がむけたりふやけたりすると思っている人も多いのですが、これも誤りです。

水虫には大きく分けると3タイプあります。
足の指の間の皮が白くふやけたり剥けたりするタイプ、小さな水泡ができるタイプ、足の裏全体が厚く硬くなる角質増殖型水虫の3タイプです。
角質増殖型水虫は水虫全体の10パーセントほどなので、あまり知られていません。
そのため、水虫イコール皮が剥ける水疱ができると思っている人が多いようですが、角質増殖型水虫のようなタイプもあるということを知っておきましょう。

水虫はカビの一種である白癬菌によって起きる感染症の一つです。
白癬菌は15度以上で湿度70パーセント以上の環境を好んで繁殖します。白癬菌が足に付着すると約24時間で角質層に入り込むと言われています。

しかし、足に傷があるとその半分くらいの12時間ほどで角質層まで入り込んでしまいます。
角質増殖型水虫の場合は足にひび割れができやすいので、そこからまた白癬菌が入り込んで治りにくい傾向があります。
そして、角質が厚くなると多くの人が軽石ややすり状のものでこすってしまいます。これは皮膚を傷つけてしまうので避けたいことです。
傷のある所には汚れが入り込みやすいのと同様に、皮膚に傷がつくと白癬菌も入り込みやすくなります。

お風呂で洗う時は、軽石やナイロンたわしやブラシなどでゴシゴシこするのは禁物です。軽くなでるようにやさしく洗ってください。
できれば、石鹸やボディーソープをよく泡立てるのが理想的です。そして、石鹸分はよく洗い流すように気を付けてください。
角質増殖型水虫では、足の裏の角質が厚くなって固くなるために水虫だと思う人は少ないです。
そのため気が付かないでいると、知らず知らずのうちに他の人に移りやすくなります。

お風呂の足ふきマットやスリッパなどが移りやすいです。
これらは水虫があってもなくてもこまめに洗濯して太陽の光を当ててよく乾かすことが大切です。スリッパは家族間で共有しないで、自分専用のものを使いましょう。

角質増殖型水虫はかかとに発生することが多い

角質増殖型水虫の場合は、かゆみなどの自覚症状がないことが特徴の一つです。
自覚症状がないために、ただの老化現象だと思っていた人や、かさつきだと思っていた人が多いです。

角質増殖型水虫の典型的な症状は、かかとの角質が厚く硬くなります。そしてひび割れができることも多いです。
多くの人は「何だか足のかかとがガサガサで汚いなあ」くらいにしか思わず、やすりや軽石でこすって角質を落とし、自己ケアで済ませているケースが大半になっています。
しかし、これではほかの人に移りやすいので、足の裏がこのような状態になっている人は水虫を疑ってきちんと受診して治療することが大切です。

角質増殖型水虫の場合は、ほかのタイプと治療法が少し違います。従来の外用薬を塗るという治療法では白癬菌のいる奥深くまでは薬が届きません。
したがって、角質増殖型水虫の場合は、内服薬による治療法となります。飲み薬を飲んで治療します。

健康な足の裏は、本来は柔らかくてツルツルしています。カサカサしていたり固くなっていたりするのは皮膚が乾燥して、角質の表面がめくれている証拠です。
このような状態になった角質の隙間からは、白癬菌が入り込みやすくなります。足を洗った後は保湿をして、角質を整えておくことが大切です。

水虫と聞くと夏場だけ気をつけておけば良いと思いがちですが、このようなケアも重要です。
また、角質を厚くしないためには、外からの物理的な刺激にも気を付けてください。
靴はクッション性があって歩きやすいものを選びましょう。固い靴は禁物です。
角質が厚くなると、それだけで白癬菌にとっては住み心地がよくなり、白癬菌の住処が広がる原因となります。

また良くなったと思ってもすぐに治療をやめないことも重要です。きれいな新しい皮膚に生まれ変わるには3カ月ほどかかります。
症状が良くなっても少なくとも3カ月くらいは治療を続けましょう。